インフルエンザが流行するシーズンに最も恐ろしいもの、それはインフルエンザ脳症です。
赤ちゃんから小学生まで注意する必要があるインフルエンザ脳症ですが、一時期騒がれた「薬を原因としている」という説は本当だったのでしょうか?
また、インフルエンザ脳症で起こりうる後遺症や赤ちゃんが発症する確率についても調べてみました。
インフルエンザ脳症の原因に薬は関係する?
2000年代後半、猛威を振るう新型インフルエンザによって、通常ではありえない数の子供たちがインフルエンザ脳症となりました。
そのころ、しきりにインターネットやマスコミによって「インフルエンザ治療薬や解熱剤が原因かもしれない!」という説が流布されました。
実際、脳症を引き起こして異常行動ののち死亡してしまった中学生や小学生の話は、数年たった今でも印象に残っています。それまで、インフルエンザに罹ったからといって脳にまで影響があるとは考えていなかった人も多いはずです。
インフルエンザ脳症が起こることの根本的な原因についてはまだ解明されていませんが、ウイルスが脳に回ることによって脳に異常が起こるのではなく、体内の抗体が異常に反応してしまったことによって脳にダメージが与えられるということがわかっています。
ここの部分で多く勘違いしている人がいるようで、インフルエンザ脳症は「脳炎」ではありません。
脳炎はウイルスが脳に直接ダメージを与えますが、脳症は違います。
脳炎の場合、解熱剤によって体内の抗体が活動を弱め、ウイルスが体内で増えることにより脳炎を起こすこともあります。
ですが、インフルエンザ脳症はこれに当てはまりません。また、治療薬のタミフルやリレンザと脳症の因果関係も解っていません。
ここで注意したいことは「聞きかじったことを鵜呑みにすると逆に危険なこともある」ということです。
インフルエンザの治療薬は即効性に優れているので、使用することで症状が劇的によくなることが殆どです。
インフルエンザのつらい症状を早く治してあげるのがいいのか?治療薬は避けるべきなのか?もし迷ったら、かかりつけの病院で信頼できるお医者さんに質問してみるのが一番いいですよ。
恐ろしいインフルエンザ脳症による後遺症の症状
インフルエンザ脳症の恐ろしさ、それは後遺障害にあります。
まずインフルエンザ脳症となるとけいれんを起こし、意識障害となり異常行動をとります。
この段階では、熱性けいれんとの見極めが難しく初期の段階でインフルエンザ脳症と気づける素人はあまりいないでしょう。
症状が進むと内臓機能に障害がおよび、胃腸や腎臓・肝臓といった臓器に影響が出ます。
重度の脳症で後遺障害が残ると、てんかんや知能の低下、視覚や聴覚への影響、運動麻痺や嚥下障害となることもあります。
つまり、一生付き合う後遺症が残ってしまうということですね。
インフルエンザ脳症により後遺障害を起こす確率は10〜20パーセント、つまり脳症となった五人のうち一人は後遺障害が残るということですから、その確率は低くはありません。
赤ちゃんがインフルエンザ脳症になる確率は?
毎年、日本でインフルエンザ脳症となる子供は100〜300人いるといわれています。
その内訳は、1歳児が一番多く、3歳以降から発症率が下がるようです。
インフルエンザとなった全患者のうちの100〜300人ですから、その確率はとても低いといえますね。
とはいっても、自分の子供が絶対に脳症にならないという保証はどこにもありません。
インフルエンザ脳症をできるだけ予防するために、やれることはやっておきたいですよね。
インフルエンザ脳症の予防に効果があるのか、まだ因果ははっきりとしていませんが、予防接種は脳症発生の確率を下げるといわれています。
また、早期の段階でリレンザやタミフルを服用することによって、インフルエンザウイルスの増殖を抑えて重症化を防ぐことでも予防の効果が期待できるそうです。
一番はインフルエンザにかからないことが予防法ですから、日々の生活でウイルスの感染に気を付けていくことが一番ですね。
まとめ
子供が小学校に上がるまでは、毎月何らかの病気にかかっているという状態に陥ることも多くありますよね。
今月はノロ、夏にはプール熱、近年ではインフルエンザも季節に関係なく流行している状況です。
冬だから、といったことに係らず毎日手指の消毒やうがいを習慣として、家族みんなの健康を守っていきましょう!
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