大切な家族とのお別れにも、実はさまざまな“やるべきこと”が存在しますよね。喪中はがきの準備もそのひとつ。
でも自分で喪中はがきを作成するとなると、文面に迷ってしまう人も多いはずです。
そこで差出人と故人との関係による『続柄』表記の違いや、知っておくと役立つマナーなどをご紹介します。
父親が他界。配偶者が出す喪中はがきの、文面の続柄は「義父」?
ひと組の夫婦を例にあげて考えみましょう。父親が亡くなり、娘である妻が3パターンの喪中はがきを作成することになりました。
①自分の名前で、自分の友人・知人に出す
②夫、または夫と自分の連名で、夫の友人・知人に出す
③自分の母親の名前で、母親の友人・知人に出す
では、故人の『続柄』はそれぞれどう書くのがふさわしいのでしょう?
例文:「本年△月に 父○○(享年××才)が永眠いたしました」
この文の「父○○」が、差出人によって変わる部分ですね。
①は、そのまま「父○○」で大丈夫です。「実父」と書く必要はありません。そして②は「夫〇〇」となります。
気をつけたいのは③です。ときどき「義父○○」と書かれていることがありますが、喪中はがきでは「岳父(がくふ)」と書くのが慣例。「義父」と書くと、実母の再婚相手という意味にもなってしまうんですね。
岳父とは『妻の父』という意味で、かしこまった手紙や電報などでも使われます。亡くなったのが妻の母の場合は「丈母(じょうぼ)」または「岳母(がくぼ)」と書きます。
また、夫の父や母が亡くなった際の喪中はがきを妻が出す場合は「父○○」「母○○」となります。嫁ぎ先の親ですので、妻は夫と同じ立場として「父」「母」と書きます。
普段あまり会えない友人に宛てる場合「実の親と勘違いされないかな?」と不安なようでしたら、故人の名前をフルネームにすると、誤解がなくていいかもしれませんね。
そして「岳父や丈母などは第三者からの敬称」として、喪中はがきでの記載を間違いだと指摘する人もいるのですが、謙譲語として使える単語ですので問題ありませんよ。
喪中はがきの文面やその他で気をつけたいマナーは?
配偶者側の親戚(前章の例でいうと夫の親戚)に、喪中はがきを出すべきか迷う人もいますよね。
「葬儀にも出てもらって、さらに喪中はがきまで出すものだろうか・・・」と考えている人は、喪中はがきの意味を少し勘違いしているかもしれません。
喪中はがきは“年賀欠礼のあいさつ”ですので「喪にふくしているため年始のごあいさつはできませんが、来年もよろしくお願いします」という気持ちを伝えるためのものなんですね。ですから年賀状を送り合う相手であれば、喪中はがきを送る対象になります。
特に亡くなったのが年の初めであれば、配偶者側の親戚がしっかり覚えていない可能性もあります。もし親戚がウッカリして年賀状を送ってきた場合、あとで相手に「申し訳ない」と思わせてしまうことにもなりますので、ぜひ喪中はがきを送ってくださいね。
送る時期は相手が年賀状の準備を始める前が望ましいです。早ければ年賀はがき発売日前、遅くても郵便局の年賀状受付開始日より前。つまり10月末〜12月10日頃ですね。
また、これはマナーとは少し違いますが・・・
多くの人がテンプレートの儀礼的な文面で作る喪中はがきですが、故人の生前の人柄が伝わるような一文を載せてみるのも、受け取った側に気持ちが届くのではないでしょうか。
「本年△月に 父〇〇(享年××才)が永眠いたしました 生前は山登りが趣味で、自然をこよなく愛し、またボランティア活動にも熱心でした」
・・・など、ほんの少しでも人柄が見えると、受け取った相手もより故人へ想いを馳せることができるかもしれません。
喪中はがきの文面は決まってきたけれど、差出人は夫婦連名にするべき?
夫婦の場合には差出人を連名にするかどうかも、迷いがちですよね。
はじめに「続柄」についてお話した中で『②夫、または夫と自分の連名』とした通り、喪中はがきを送る相手によって適切なほうを選ぶことになります。
もともと年賀状のやりとりがある相手に送るものですので、親戚など以前に連名で送った相手には喪中はがきも連名で、友人や仕事関係者など個々の知人には、喪中はがきだからといって連名で送る必要はありません。
そして連名で送る場合には夫を筆頭者とするため、故人が妻の父親であればやはり続柄は「岳父」となります。
でも印刷所などに依頼して夫婦それぞれが差出人のものと、連名のものを作成するには、やはりコストがかかりますよね。できるだけ費用を抑えたいと考えるのでしたら、連名で揃えるのも有効ですよ。
喪中はがきを連名で出す行為が失礼にあたることは決してありませんので、ご家族の考えや事情を踏まえて、選んでみてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?目にしたことはあっても、それほど身近ではない喪中はがきですが、やはり慣例やマナーを知っておく必要があるんですね。
故人や家族、そして受け取る側の想いを大切にして、ぜひ早めに準備をしましょう。
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