秋が来ると食欲も一緒に来るような気がしますが、この季節には特に和菓子を食べる行事が多いと思いませんか?
お月見でお団子、敬老の日に紅白饅頭などがありますが、中でも秋のお彼岸に欠かせないおはぎ。適度にもっちりとしたご飯の上にあんこがたっぷり乗ったおはぎを見ると、日本人ならお墓参りに行こうかなぁなんて思いますよね。
そんな秋のお彼岸に食べる、おはぎにまつわる気になる謎について解明していきましょう。
なぜお彼岸のお供え物はおはぎなのか?
母親がおはぎを作っていると、ああ今日はお彼岸なんだなぁと幼心に思いましたよね。お彼岸の意味は解らなくとも、おはぎと言えばお彼岸、お墓参りをする日というのは日本人の心に深く刻まれているものです。
でも、同じお墓参りでもお盆にはおはぎを食べません。
一説によると、お盆は自分のご先祖様だけがお家に帰ってくる日なのに対し、お彼岸は全ての霊魂が帰ってくる日なのだそうです。
小豆は邪気を払うと昔から信じられていて、お彼岸は悪いものを寄せ付けないように小豆のたっぷり乗ったおはぎを食べるようになったということのようです。
お彼岸のおはぎについてはその他諸説ありますが、はっきりこれといった理由は解らないようで、一番有力なのがこの説のようです。
お彼岸のおはぎはいつ食べるもの?
お彼岸とは言っても、お彼岸の始めから終わりまで毎日おはぎを食べるわけではありませんよね。いくらおはぎが好きな人でも、お彼岸中おはぎを食べていたら胸やけしてしまいます。
では具体的にはいつ食べるのかというと、お彼岸の中日である9月23日に食べるそうです。
時間帯は家庭によって異なりますが、おやつとして食べるのか、はたまたご飯として食べるのかこれも家庭によってまちまちですよね。
朝から三食ずっとおはぎという方もいれば、午後のおやつに食べたり夜ご飯だけに食べたり…。つまり時間帯は自分の好きな時で良いようです。
しかし、特に結婚したばかりの方は注意が必要です。このように家庭によっておはぎの食べ方が異なりますから、相手がいつもどのようにして食べていたのかを聞いていた方が良いでしょう。
女性はおはぎのような甘いものでもご飯になりますが、男性はそうはいかない人が多いようです。もし、おやつとしておはぎを食べていた人にご飯として出してしまうと、しなくていい喧嘩の発端になってしまうかもしれません。
同じお彼岸でも季節で違う?ぼたもちとおはぎの違いとは
以前、私が一年中おはぎという呼び名を使っていたら、お叱りを受けたことがあります。なんでも季節によって呼び名が違うので、恥ずかしいからきちんと使い分けなさいということでした。
え?おはぎって別の名前があるんだ…と衝撃を受けた思い出があります。
地域によっても使い分けは様々なようですが、一般的には春のお彼岸は「ぼたもち」秋のお彼岸は「おはぎ」と呼ぶそうです。
こちらについても諸説あるようですが、いちばん有力な説は春に咲く牡丹になぞらえて春は牡丹餅と呼び、秋には秋の花である萩からとってお萩と呼ぶというものです。
さらに細かく両者の違いを見てみましょう。
理由は秋に収穫される小豆を保存していると皮が硬くなっているので、粒あんだと口に皮が残ってしまうということでこしあんを作ったそうです。
季節によって同じものでも呼び名も形も作り方も変える、日本人らしい繊細な心遣いですよね。昔から日本人は四季折々、様々なことを楽しんでいたことが伺えますね。
注意したいのは自分でおはぎを作るなら、北海道の小豆を取り寄せようと思いますよね?北海道は小豆の新物が出回るのは10月後半からですので、9月のお彼岸には新豆は間に合いませんので気を付けましょう。
まとめ
何気なく作って、何気なく食べていたお彼岸のおはぎも、そのルーツや違いを知ると面白いものですよね。今年のお彼岸は手作りおはぎに挑戦して、季節の移り変わりをスローに楽しむのも良さそうです。
ご先祖様への感謝の気持ちを伝える大切なお彼岸を、家族と一緒に美味しいおはぎを食べながら、おはぎにまつわる話で盛り上がってみてください!
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