~中古住宅購入の実体験から学んだシリーズ~
家は欲しいが土地が高い!
一戸建ては男のロマン、子供の頃は「家を持つのは大人になれば当たり前」と思っていたのに、意外とハードルが高いと悩んでいませんか?
いい土地は既に家が建っているし、予算で行けば郊外の土地しか買えず通勤に不便・・・。
そんな時、立地も良く値段も手ごろな「中古住宅」がとても魅力的に思えますよね。でもちょっと待ってください!
中古住宅を買う時、特に築30年を超える木造住宅を購入するなら注意しておきたいポイントがいくつかありますのでご覧ください。
木造の中古住宅の注意点おさらい
木造の中古住宅、しかも築30年前後の築古購入を考えているなら、最低でもここには注意!というポイントをまずみていきましょう。
【1】耐震基準と耐震リフォーム
昭和56年6月1日以前に建てられた木造住宅は「旧耐震基準」の住宅となっており、大規模な地震が起こると倒壊する危険がかなり高いということをご存知でしょうか。
また、たとえ昭和56年6月1日以降であっても、建築証明の無い住宅では新耐震基準に満たない住宅もあります。
昭和56年といえば築35年前後の住宅が当てはまります。このあたりの築年数の住宅を買う場合には、新耐震基準なのか確認しておきましょう。
しかし、旧耐震基準であっても、耐震リフォームがされていればある程度の安心感はあります。リフォーム歴がある住宅であれば、耐震リフォームはされているのかも確認しておきたいですね。
【2】シロアリの被害
本州もしくは道央・道南地域の住宅を購入する場合には、必ず床下にまで潜りシロアリの被害がないか確認しましょう。その際、床下の湿り具合も確認し、湿気の多い床下であることが確認できたら購入は控えたほうがいいかもしれません。
現在はシロアリの被害がなくとも、床下に湿気があれば将来にわたってシロアリの被害を受けることも考えられます。
【3】リフォーム歴
築30年以上も全くリフォームしない住宅は殆どないと思います。もし居住者本人に確認が取れるのであれば、どこをどのように、大体いつ頃リフォームしたのか聞いておきましょう。
水廻りは10年前後でリフォームが必要になりますし、外壁や屋根も7年から15年で塗り替え、30年で屋根の葺き替えが必要になります。
10年以上リフォームしていない住宅は、購入後すぐにリフォームが必要となります。購入以外に費用が掛かりそうな住宅は、経済的に不安がある方は購入しないほうがいいでしょう。
【4】居住環境
子供がいる場合には校区と学校の特徴を、住宅周辺の近隣住民の性質、通勤・通学の便がいいのかなど調べましょう。
いくら物件が気に入っても、居住環境が悪ければ後々手放したくなる物件となってしまいます。中古の住宅を購入する場合には、住宅だけではなくその立地環境についても下調べしておくのがベストです。
【5】再建築可能か
再建築不可物件、セットバック、土地の用途制限や都市計画なども確認しておきましょう。
建ぺい率や容積率だけではなく高台にある家なら擁壁(ようへき)に必要な高さなども調べておくと後々役立ちますよ。
そもそも建ぺい率オーバーしている物件は住宅ローンの審査が通らず現金でしか購入できませんし、自分が売りに出すときにも売れない可能性があるのでいくら立地が良くてもおすすめできません。
※なお、北海道で中古住宅購入を検討されるなら、こちらも事前に確認しておいて下さい。
築30年の木造中古住宅に価値はあるのか
築30年の木造中古住宅、これだけ注意しなければいけないポイントがあるのにそれでも購入する価値があるのだろうか?と感じる人もいるかもしれませんね。
実際、築30年の木造住宅自体には金銭的価値は全くありません。木造住宅は20年で価値がゼロになりますから。
しかし逆を言えば、
「まだまだ住める可能性がある住宅を0円で購入できる」
というメリットはありますよね。
日本では築30年での建て替えが推奨されていますが、それは住宅自体の性能が新しいもののほうが優れているということと、古い住宅の間取りは現代の暮らしに合わないという理由からです。
決して「住宅自体が住めないほど劣化している」という理由ではないのです。※30年で住めなくなる家も確かにあります。
現在、ネット上でも木造住宅がどのぐらい持つのかという部分には意見が分かれている状態です。
意見【1】 建売木造住宅の寿命は30年
意見【2】 木自体は70年は持つ
意見【3】 最近の住宅に使われている木では30年が限界
意見【4】 30年何事もなく暮らせた住宅はこの先30年も住める可能性が高い
意見【5】 住宅はメンテナンス次第。しっかりメンテナンスすればいつまででも住める
意見【6】 バブル期の注文住宅は頑丈
などなど・・・
実際に筆者が見た中古住宅でも、やはり建売は築30年で確かにボロボロという印象です。外壁、屋根の下、基礎など崩れているところも多かったですね。
また、一方で築浅の住宅を見ても「これで果たして40年住めるのだろうか?」という疑問がわきました。住宅自体の重厚感という点においては、最近の住宅よりも昭和築のものの方がどっしりしています。
そもそも、築浅の住宅は新築と価格において変わりがありません。筆者の住む地域でいうと、立地条件のい築10年が2,500万だとしたら、少し郊外に注文住宅が建てられます。
注文住宅 → 40年は住める
築10年 → 今後20年ぐらいしか住めないかも?
と思うと、老後を考えたときに「それなら新築を建てよう」となりますよね。筆者はここが中古住宅の難しいところだと思いました。
もう一度、話をまとめてみましょう。
とある不動産屋さんに話を聞いたところ、中古の住宅を買う世帯の年収は300万前後が多いそうです。
例えば年収が500万で2,500万35年ローンを組んだ世帯より、年収300万前後で1,000万ローンを組んだほうが生活にゆとりはあるんじゃないかと個人的には思います。
長くなりましたが、「築30年の住宅に価値はあるのか?」と聞かれれば、答えは単純に「それを求める人には大いに価値がある」ということになります。
収入と支出のバランスが取れ、心も体も豊かに生活できる築30年の木造中古住宅は、低収入でも戸建てを持ちたいという方にはダイヤの原石となるでしょう。
※中古住宅の諸費用計算については、コチラでも詳しく解説しました。
まとめ
住宅ローンの金利が底値となり、ここからは徐々に上がるという見通しが出ています。
一戸建ての購入を考えている方は「何が何でも新築」と思い込まず「中古という選択肢もあるな」と柔軟な姿勢でいる方が老後の生活にもゆとりが出るでしょう。
なお、中古住宅の住宅ローンについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、是非お読み下さい。
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